2023年3月30日木曜日

制作記.ランス4.1/4.2

私が制作に関わったゲーム(16)

発売日 1995年12月
価格  3800円
ハード PC98

監督.ゲームデザイン.シナリオ.TADA
イラスト.YUKIMI
戦闘ユニット、画面パーツ.織音
 
この41.42は、ランスシリーズの中では目立ってない
印象も薄くプレイされた方も一番少ないかな

だが、けっこう思い入れあるのだよ
なんというか、私の願望的な
 
 こういうゲームを作りたい
 
闘神都市2,ランス4とか、一般的にユーザーに望まれるであろうという方向と違って
もっとチープというか、チマチマしているというか・・
記号化というかSD的というか
仕組みもTRPG的というか、パズル的というか、ボードゲーム的みたいな

そう、FFや洋ゲーのようなリアル映像でポリゴンでガンガン動くような物とは正反対な物
ある意味、ちょっと安っぽい雰囲気の物、手作り感のあるほんわかした物
そういう物が、私の作りたいイメージなのだ


大作でなく、ショートストーリー

 
世界を救うとか仰々しい物語でなく、もっとバカで日常的な冒険

価格も安く、長時間かかる物でもなく
気楽に遊べるようなゲーム

物語も魔王とか世界の危機とかで無く
ハピネス製薬という企業、そうランスの世界にもちゃんと会社はあるのだ
エンジェル組、バカな秘密結社もあるのだ
こんなとかが出る物語
事件を解決しても、世界が何か変わる訳でも無いという・・うん、よいよい

4.1  4.2  4.3  4.4  4.5 ・・・・
うまくいけば、こんな感じで続けたいなぁと思っていたのだ
まぁ、目指していたイメージ通りはできずに
結局この4.1 4.2も独立した話でなく前後編ぽくなっちゃった


オブジェクト指向コマンド選択?


当時、だんだん選択肢が減って
大きな分岐となる行動を二択三択で選ぶくらいになってきた

テキストADV時代からゲームをしていた私としては・・ちょっと寂しい
もっと「見る 戸棚」 「開ける 戸棚」 とかしたい!!

しかし、動詞を選んで、その後、対象を選ぶ形は・・やっぱ古くさい
そこで

オブジェクト(物、対象物)に対してメソッド(行動)を提示する形
・・・はい、プログラムのオブジェクト指向いまいちよく分かっていません
・・・頭の良さそうに見える単語なので使ってみました、てへへ

たとえば、この廊下だと・・
オブジェクトは、シルバレル、ゴミ箱、あてな2号、ランスの4つとしている
ゴミ箱を選んだら、それに対してのメソッドが選べるみたいな・・・

この作りだとイベントによりオブジェクト(物)が増えたら、それを設置したらいいし
場所が違っても同じオブジェクト(物)には、同じ処理でいいしね
ある意味、テキストの物理エンジンみたいな・・(これもよく分からず偉そうな単語を使っています)

なかなか良い仕組みだと思ったのだが・・・やっぱ作っていて面倒でした
あまり細かい所まで凝れなかった
今だったら、AI的なツールやプログラムをうまく使う事でいろいろ出来るかもしれないね

手書きマッピングみたいな地図


TRPGやゲームブックなどの地図が好きなんだよ
古地図とか宝の地図とか・・
あの雰囲気をなんとかゲーム上で表現できないかなぁと・・

主人公達が自らマッピングしていく、必要ならメモや情報も書いていくとか


私のプログラムが雑なので、いまいちな表現になったけど・・
ちゃんとしたプログラマーが組んだら、もっと手書き感とか表現的にも面白い物が出来るんじゃないかなぁと

カード的なバトルシステム

この戦闘画面は好き
織音がカードを描いてくれたんだよね、実にいい戦闘カードだ

ポリゴンとかリアルで動く凄い戦闘の物とかもあるけど
結局、同じ動きしかしてないし、表現がリアルなだけに嘘が気になるので
割り切って記号化(カード)している表現の方が好きなのだ

当時は出来なかったけど、今なら、このカード自体を板ポリゴンにする事で
飛ばしたり、曲げたり、拡大縮小とか、バラバラにしたり、いくらでも動かし演出出来るので
この方式はとてもいいと思うんだけどなぁ・・


そうそう、この戦闘システムでは、体力(HP)とは別に(いのち)というパラメーターがあって
これは治らない物にしたんだよね


HPという概念がどうも納得いかなく
(スタミナ)と(実際の身体損傷)に別けて表現する事にした
かなりヘンテコな戦闘システムである
 
こういうゲーム性よりリアリティぽい優先とか
ゲームデザインをする人が1度は通る熱病みたいなもんだよね

エロシーン

これもゲーム的な選択肢を沢山入れた
 
いろいろな行動をして、興奮度を上げてフィニッシュと・・

うん、これは駄目
エロシーンだけは、文章をダダ流ししてくれた方がいいよね


ミニイベントの表現方法


専用のビジュアルCGを用意することができたら良いのですが、量的には無理なので、立ち絵CGか顔CGだけで表現する場合が多いですが・・

顔CGは、どんなシーンでも比較的違和感なく使えますが、身体全体(ポーズ、動き)が見えず

立ち絵CGは、身体全体は見えますが、ポーズ等が場面とそぐわない事も多い

そこで、ランス4から使っているユニット絵を場面表現として使用しています
状況も分かるし、可愛い、面白い


なかなか気に入った表現方法です
・・ただし、静止画だけどね、動く所まで作るとコストがかかりすぎる



そんな、いろいろな制作方法を試しながら

こんな風に作りたい
こんなゲームが面白いはずだ
これが良いはずだ

そんな理想を求めて作った物だったのだが
結局は自分の実力不足というか・・
絵に描いた餅というか・・

1.低価格路線
2.自分で全部やろうとする
3.安っぽい雰囲気の物

これらは売れないというか利益にならない
またゲームとしても今ひとつである
心の奥底では・・・分かっていた
しかし、やってみたいのだ
新しい物とかヒット作は、そんなチャレンジから産まれる物じゃないかと

クリエイターの方なら、多かれ少なかれ、違いはあったとしても
何らかのそういう拘りというか(自分の中の目指す物)はあるよね
流行物とかユーザーに望まれている物では無く、別の何かを見せたいという

しかし、その多くは、やっぱり幻想(誰もやってないのは、やらない理由があるのだ)
自分でやってみて、ああ・・やっぱり、これは駄目かと・・
で、次からは気持ちを切り替えて
スタッフの助言を聞き入れ、ユーザーに望まれるだろう物を、チームでちゃんと大作を作るのだった

うん、そういうものだよ
失敗して次に進むんだよ
そして賢い人は学習するので同じ失敗はもうしない

・・のだが、私はバカなので
またしばらくしたら、あぁぁぁ、ああいうのが作りたい、試したいとなって
同じミスを繰り返すのだ

そう、数年後・・ランス5Dを・・・・てへ

1.低価格路線
2.自分で全部やろうとする
3.安っぽい雰囲気の物

そして、その後も・・
何度もこの方向性の物を作りたいと・・
たぶん、私の中のロマンというか、理想なんだよ
イメージはあるんだけどうまく出来ないし、もうひとつ何か足りない
届かない・・届かない・・そんな何かなんだな
今でも
└|∵|┐♪