2022年9月22日木曜日

制作記.DALK

 
私が制作に係わったゲーム(12)
思い出メモ

発売日 1992年12月
価格  6800円
ハード PC98.X68000.FM-TOWNS

監督.ゲームデザイン.ぷりん
サブ.TADA

これまでのアリスソフト作品のゲーム部分は私がほぼ全て作って来ましたが
DALKは監督として中心となり開発したのはぷりんとなります
ゲームデザインだけでなく、世界観やストーリーも

私は補佐的な立場で
主にマップ構成、モンスター配置、スクリプト、デバッグなどやりました



ぷりんとは、闘神都市、ランス3と組んで作ってきたのだが
同じようにファンタジーRPG好きだけど
少し趣向が違う点があった・・・
私は、ひねくれもので定番正当派が嫌だった
対してぷりんは、D&Dやロードス島のような正当派ファンタジーが好きという所

他の事でもそうだが、好きな物が一緒、同一ジャンルが好きな場合でも
いや、それゆえに微妙に違う部分がより気になるのだ
近いがゆえに違う所が許せないと・・
私が監督の時は、ぷりんはいろいろ思う事もあっただろうが
そこは抑えてちゃんと私に合わせてくれていた(私のバカファンタジーに)

今回は、ぷりんが監督なので、彼のやりたい方向性での制作です
神や女神、ドワーフ、エルフとか、ゴブリン、スライムとか
後・・ゴッドバイブ




DALKを今プレイしてみて

今回、ちょー久しぶりに動かして見たよ
想像以上に操作性が悪く・・・いや、まぁ昔だしね

なんとか最後までクリアしようと頑張っていたのだが
終盤前で自分のHDDが死んでセーブデータが飛んでしまった
・・さすがにもう1度最初からプレイする気力もなく諦めた
残念


クゥが好き
かなりお気に入りのキャラです
たぶん、カロリアのイメージベースになっています

良い娘だよねー
超昂大戦でDALKコラボとかで出してくれないだろうか?


やり込みゲーという発想
この発想を考えたのはぷりんです
ゲームってクリアしたら終わりという物だったのだが
その後も永久に戦って強くなって繰り返しやり続けるというスタイル
今のソシャゲーと同じなので、この頃だと先進的な発想だよね
1000階のダンジョンとかあったよね、何人くらいクリアしたのだろうか?


DALKのロゴ
いつもは社内のスタッフが作っていたのだけど、このDALKは
有名なプロの方に外注したのでした(某有名なコンシューマーゲームとかもやっていた人)
世間知らずだったので、その費用に驚いたなぁ、高っ、うわっと・・
まぁ、今冷静に考えると、むっちゃ安い額で受けてくれていたんだけど

デバッグの思い出・・
DALKのデバッグは大変だったなぁ
当時のデバッグの流れ・・

 1.最終のプログラムソースをまとめる
 2.コンパイルをかける(これが何時間もかかる)
 3.マスターDISKを作る (慎重に行うので、これも時間がかかる)
 4.マスターDISKのコピーを使って最終テストプレイ
 5.何かバグが出たら1に戻る

何か1カ所でもミス(バグ)が見つかると・・
この作業を繰り返すので半日とかあっというまに飛ぶ

何日も残業残業で、下手すりゃ徹夜でやった上で・・
何かバグが見つかると・・ほんと辛い
DALKは、けっこうこれを繰り返した

今みたいに後でネットでアップデートパッチを出せばとか出来ない時代
致命的なバグがあれば返品回収、または、欠陥品クソゲーとして認知されてしまう

雑な私と違ってぷりんは完璧主義者なので
小さなバグでも見つかると、「よし、やり直そう」と・・うわぁぁん

そういや、マスターアップ最終段階の時に
謎の助けて女が現れるバグがあったな・・原因不明だったな
あれってどうなったのだろうか・・もう記憶にないや
もしかしたら、まだバグとして残っている?







アリババと上海


DALKのゲームシステムは、これがモデルです
当時、私もぷりんも、これをプレイして影響を受けました

実に先進的なゲームで、たぶんファイヤーエンブレムなどのシュミレーションRPGも
これの延長で作られた物じゃないかな

アリババ
アップル2とか販売されていた外国ゲーム


上海(1985)
そのアリババを移植輸入した日本のメーカーが作った、似たようなゲーム
同シリーズで九龍島(1986)も闘気王(1987)とかもある



システムの特長
複数のキャラを順に操作(移動-戦闘)して戦闘しながら進めるゲーム
シミュレーションRPGのような面クリア型では無く
ゲーム全体を通して一つの世界を冒険していきます
いわば、フアイヤーエンブレムの仕組みでドラクエみたいな世界をプレイする感じです

ターンベースで敵味方が交互に行動
シームレスで世界が繋がっている(場面切り替えでも良い)


問題点として、キャラが多くなると操作が面倒となる
また、移動歩数の差で遅れるキャラが出てくるので陣形が揃えにくい
実際、アリババ上海でもこの部分が面倒だった

ただ、今作るんだったら、
前線から離れたキャラは目的地点を設定して自動移動させるとか
AIぽくキャラ単位で自動行動とか設定するで解決するはず
当然、視認済みの場所を拡大マップで俯瞰把握出来る

当時、DALKを作った時は、技術不足、経験不足もあり
出来なかった事が多かったけど
今なら、むっちゃ面白いゲームになると思うんだよな
ちょっと考えるだけでアイデア(ゲーム上の仕掛け)もいくらでも出てくるよね
うん、絶対面白い

しかし、しかしだ・・このタイプのゲームって無いよね
これこそ金脈(新しいプレイイメージ)になる可能性があると思うのだけど
うーん、どこも作ってない
もったいないなぁ、どこか作らないかなぁ
とか思っている・・

私の知らないだけでインディーズゲームとかであるかな?
あったら教えて!
スチームとかありそうなんだけどなぁ

いつか、自分で作りたいなぁと思ったりするが
いざ実際に作り出すと、それほど面白く出来ないものなのかも・・
なので、このタイプが作られてないんだろうね






15 件のコメント:

  1. ファイアーエムブレム聖戦の系譜とか若干こんな感じだったような
    まあSFCですし世界中が繋がってるわけではないんですけど

    それ以前のFEの複数ステージが一枚のマップになってて、マップ一枚一章みたいな

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  2. DALK、初めてやったエロゲーでした。
    ロゴも含めて、パッケージのデザインが凄く雰囲気良かったので、パケ買いだった気が。

    買ったら、想像していた「エロゲー」とは違って、ガチやりこみ系だったんで、かなり遊ばして頂きました。
    PC98版は1000階で、TOWNS版が100階だったかな。 当時制覇は出来なかった記憶が。

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  3. フィールドもダンジョンも全編キャラごとに移動させるSRPG型ゲームとしてはSFCのアルバートオデッセイシリーズが思いつきます。SFCなので20年以上前になりますが……。子供の頃はゲームへの熱意ゆえ何とも思わなかったものの、今やると確実に面倒に感じると思います。
    最近は戦闘だけSRPG形式という作品も激減したように感じますし(代わりにシームレスなリアルタイムアクション戦闘が増えた)、プレイヤーの負担が大きいシステムは避けられているような印象があります。

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    1. >今やると確実に面倒に感じる
      うん・・そうだよね、過去を懐かしがってプレイする事もあるが・・うん、しんどいね

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  4. 正統派でクールな軍オタクのぷりんさんと、変人でバカな軍オタクの多田さんのコンビが絶妙です。バカなギャルゲーをやっていたら、突然マッチョなオヤジたちが戦法を語り合うシリアスな場面に出くわすと、必ず大きな衝撃を受ける。ランスのバレス、大悪司の大杉...頼もしいオジサンがいると、セクシーなものがより良いものになりますね。でも、ぷりんさんがディレクターだと、くだらないことがシリアスなSRPGを引き立てるスパイスになるんですよ。

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    1. 大きな方向性が同じで、差違を保管しあえる仲間が居たというのは、ほんと幸せな事だったよ

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  5. DOS版では断念しましたが、WIN版では地下100階までとなっていたので何とかクリアできました。BGM永遠に続く戦いは今でも脳内で再生できます。思い出補正込みですが、冬休みを全部費やすくらいハマったゲームです

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  6. 最近だと巻き戻しや倍速機能がついた昔のゲームが配信されたりしていて、UIのジェネレーションギャップ(?)を埋める需要もあるみたいです。

    そのうちエンカウト率をいじったり、過去のゲームの設定をユーザが好きに決められるようにならないかな。

    と思ったらランスクエストで実施されていましたね。

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  7. DOS版は途中で断念したなあ。1回1回じっくりクリアしていく私の方針には合わなかった。

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  8. この手のゲームは没入し始めると面白さの次元が変わります。Hシーン含め、キャラも多くて魅力的でしたが、疲労の存在によって二軍パーティの輝きが増す乙女戦記の方を自分は推したい。ママトトや大番長も、集中して高レベルキャラを作った方が攻略に有利なのに、多数のキャラを使わせる仕掛けに優れていて唸らされます。両ゲームとも個別エンドまでありますが、ダルクはキャラ魅力が高い分、決心、選択、結婚まで行かないのには話の結末が宙に浮いた感じもしました。ぱにょんの方が更にあそこまで削りに削って、「これしかありえない」レベルの完成度を感じさせるのは何故なんだろ?

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  9. ギレンの野望をプレイしたおり、ユニット不足の中無理してユニットをスタックすると前中後衛が出来て最凶化というのはどうか、と思ってみた事があります。 爆猿王がそれでしょうか? 鬼畜王は自力攻略リセット無しでやるとユニット不足がちで、本質的には似た感じのプレイ感があったようにも思います。行軍要素をどう入れる?

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  10. コメント欄閉鎖してしまったのですね・・・寂しいです

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  11. 気になっていたけどコメ欄は閉鎖で確定なんでしょうか?
    残念ですがHP更新あれば見に来るし今後も応援してます!

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  12. あけましておめでとうございます。
    最新の日記読みました。毎週楽しみにしてます。
    コメントは余り書くと迷惑かなと自重してました。
    TADAさんの文章はゲーム内のテキストみたいに、
    物語を読んでいる様でとても面白いです。

    ブログ見てる人を友達と書かれていて、
    「ハッ、もしかして自分!?」とか思うアホですが、
    とにかく毎週楽しみにしてる人がいる事を伝えたかったです。
    きっと同じ様な人は多いんじゃないでしょうか。

    寒いので風邪に気を付けて温かくしてお過ごし下さい。
    ではでは

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  13. 私(♀)が生まれて初めてプレイしたRPGが『DALK』です。ドラクエでもFFでもなく、DALK(笑)
    大学生の頃「RPGって何だろう? 面白いのかな?」と彼氏に聞いたところ、出てきたのがコレでした。
    すごく面白くて夢中になって、クリア後も地下300階ぐらいまでは踏破した覚えがあります。
    すると彼氏が「こっちも面白いよ。もうすぐ新作出るし」と言って出してきてくれたのが『ランス3』でした。そしてランスシリーズにどっぷりはまっていくことになります……。(鬼畜王以外はオリジナル・リメイク共に全てプレイ済)
    DALKは今の「RPG好きな私」に至る原点となる作品で、とても思い出深いです。

    ネット情報に疎くてTADAさんが退社されたことを知ったのもつい最近で、このブログに辿り着くのもこんなに遅くなってしまいました。
    ランスシリーズは毎回戦闘システムが替わって、そのたびに「自分なりの攻略法」を考えるのがとても面白かったです。
    30年間本当に楽しませてもらいました。
    ありがとうございました。

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