2021年8月26日木曜日

私のアリスソフト史5(1991)

 

アリスの館CD、ランス3


1991年

貧乏だった俺達に春が来た!

闘神都市が売れたのだ!
当時としては大ヒットと言って良いレベルで売れた

会社の懐事情もだいぶ改善されて
借金を少しずつ返済出来るようになってきていたんじゃないかな・・

有頂天で増長したとかでは無かったけど
自分達でもそこそこやれるんじゃないか
エルフさんには敵わないが、2番手3番手くらいは狙えそう
という、自信も持てるようになっていた

└|∵|┐ いけいけゴーゴー

当時、24歳だったか、うん、ノリノリだね




アリスの館CD

初のCD-ROM商品です。FM-TOWNS用
まったく未知の媒体にチャレンジです。

普段、フロッピーディスクを媒体に商品を出していたが
1枚で1.4MBしかなので、だいぶ容量が厳しくなってきていた。

それに比べてCD-ROMは
650MB
フロッピーベースで行くと460枚分!?
絶対に使い切れない無限の容量に思えた

容量無限だからと、あれこれ取り込んで画像とか入れたなぁ
もうなんでもやり放題

当時、CD-ROMライター(焼き付ける機械とかソフトね)とか無いから
専門の業者にフロッピーとかHDDを渡して焼いてもらっていたんだよな

近所のTOWNS中心で開発しているメーカーさんが
CD-ROM1枚分全部入るHDDを開発に使って、それそのまま渡して作ってもらっているとか聞いて、すげーとか思ってたなぁ
当時、私達が開発で使っていたHDDは、40MBとか60MBだったしね

CD-ROMが未知のメディアだった頃です・・



新オフィスへの引っ越し


古いオフィスビルの1部屋、狭い
社員も増えてきて歩く場所に困るほどギュウギュウ詰め
夜9時になると強制的に追い出される(管理人の都合で
そんな状況だったが

経済的に余裕が出来たのでお引っ越し
新築のオフィスビル、その3フロアーも借りた。

新しい、綺麗、
各スタッフの席は、パーテションを配置してブース化したり
娯楽室を作ったり
社長室も出来た
広い、余裕がある、徹夜も出来る~

一気に立派になったよ!

スタッフも徐々に増えてきたし、10名以上になっていた
この年、社内結婚も2組あった
なんというか、会社というコミュニティ、自分達の生きる場がちゃんと整ってきた

さらに、この年、初の社員旅行の実施された
白浜のホテル、温泉
修学旅行みたいで楽しかったな

この頃、部長に昇格しました
以降、役員になろうと、副社長になろうと、部長、部長と言われる続ける事になる
 └|∵|┐ぶちょー

お金がある、余裕があるっていいよね
私達、やっと普通の会社になれました

  └|∵|┐♪  ┌|∵|┘  └|∵|┐♪


ランス3


闘神都市の次に作ったのがコレです。

闘神都市でちゃんとRPGぽい歩くマップが出来たので
それをさらに良くして作っています


闘神都市に引き続き、これも大ヒットしました


自画自賛していいよね
この頃は、毎回というか、半年単位で急成長していたし
やる気まんまんで作っていたのでゲームも工夫がいっぱいだった
成長をしていた、伸び盛りです

その結果として、ユーザーさんや世間からも
アリスソフトは注目される存在に変わっていった
うれしー




そう、絶好調だった
新しいビルに移ってニコニコの頃(アリスソフト美少女アルバムより

が・・・ そんな時(若干有頂天)に、事件が起こった

11月末、沙織事件 発生

京都で中学生がエロゲーを万引きした
X指定の沙織という過激なエロゲーだ

この後、京都府警が沙織を発売していたメーカーを家宅捜査
さらに関係者が逮捕された


確かに自分達が作っているのはエロだ
だが、実写や裏ビデオとか違い、オタク向けの・・
それに絵だし・・とか思っていた
まして警察に捕まるような・・
犯罪行為となる物とか・・・
まぁ、当時は、隠しコマンドでモザイク取れたりとかしたけどさぁ


しかし、現実に同業者が捕まった
会社で仕事中に、そのニュースを知った私は・・動揺した
・・・今にも扉を開けて「大阪府警だ、てめぇら逮捕する」
・・・もちろん主犯として私も手錠に
・・・犯罪者、刑務所
やばい未来図が浮かんできてガタガタ震えた
なんて物を作っていたんだ・・

ちょいパニック状態になりかけ、その日は体調が悪いと言って早退した。
いや、逃げた
ああ、もう、恥ずかしい、YUKIMIさんとかへっちゃらで肝っ玉座っていたのに
私は、あの日、あわあわしちゃったんだよ

まぁ、一晩、ふとんを被ってガタガタした後は、気分切り替えて
起こった事はしかたない、前向きに行動していこうと
普通に出社したけどね

 この事件の顛末、ソフリン成立等の流れは、
 長くなるので次回
 1992年は、それ関係で大忙しになるのだ



時系列まとめ

1989年

アリスソフトスタート

1990年 

ランス2、闘神都市発売 

1991年

  初の社員旅行.南紀白浜 

4月 
DPS-SGset2 発売

7月 
アリスの館CD 発売

8月 
新事務所に引っ越し
 
10月 
徳間書店からアリスソフト美少女アルバム
 
11月 
ランス3 発売
沙織事件 
 
12月 
DPS-SGset3 発売




ユーザーとの距離間


あまりプロ意識の無い私だったので
ユーザーとの距離間も少し変だったかもしれない

エロゲー好きだし、自分が欲しいの物を作っている訳なので
商売というより同好の友と語る為にやってる?
同人誌を作っている感覚
  金銭的な問題は、全て社長にまるなげなので
  趣味、サークル感覚が抜けきれて無かったのだろう

なので、お客さんを相手にするというより
友達的というか、若干馴れ馴れしい接し方をしていたと思う
 サービスを売っている立場としては失礼というか間違った立ち振る舞いだね

語りたい、話したい
でも、雑誌にページはとってもらえない
だから、自分達が自由に語れる場所を作ろうと
ゲーム内にアリスの館というコミュケーションコーナーを作ったり
それどころかゲーム内に開発室を出したり・・

アリスネットと設置したり
 ALICE-NET
 YUKICH-NET
パソコン通信ね、インターネットとか無い時代に
電話回線で掲示板にいろいろ書き込み出来るだけの物
同時接続3人とかそんな物だったはず

ゲームには、アンケート葉書を入れて
毎日それを読むのを楽しみにしていたなぁ
お気に入りは保存していた

ユーザークラブも作った、会誌を発行したよ

後、オフ会もしていたなぁ
お花見とか、東京ディズニーランドにもみんなで行ったっけ
(この辺りは、WAO君が中心になっていたかな

アリスネット、会誌の投稿者、のちアリスソフトに入ってくれた人も居ました
いろいろ協力してくれた方もいました
ほんと、ありがとう




ユーザークラブという名称だった訳
これは、ちょっと拘りがあって、ファンクラブとはしたくなかったんだよ
お客さんがファンになってくれるのはうれしいけど
「俺のファンクラブに入会」
とか、どこのジャイアン様ですかと・・・
気持ちワルイというか、おこがましいというか、なんか変な気がしてね

かといって、お客様クラブとか、よそよそしすぎるし
ユーザー(=私達の商品作品を使ってくれる方)という表現が
これにしていてよかったなぁと、今でも思っている



外部との関係

売れるようになると人気者になるというか
世間の対応が激変した


雑誌社、流通、ショップ、など

前は、めんどくさがられていたというか、哀れみで見られていたような・・
当社の事を知らない、または、興味無いという
ちょい悲しい対応でした (いや、しかたないんだけど)

しかし、売れた後になると、
「アリスソフトさん、売れてますよ、次の新作期待しています、いつですか?」
「XXXよかったです、プレイしました」
とか前向きにニコニコと対応

新作なども無条件に興味を持ってもらえるようになり
雑誌も無条件で記事ページを取ってくれたりしたよ

・・・・世界変わった
変化を感じた印象的な出来事として覚えているのが
とある出版社に
「食事の席を用意させて頂きました、当社役員も出席しますので是非」
と招待されたんだよ

高そうな店で、豪華そうな食事が出てくるんだよ
当社側は、社長、私他に3.4名ぐらい?
相手側は、担当の編集者さん以外に、会社役員等のえらいさんも数名とかで
「アリスソフトさんとは、これからも一緒に協力してこの業界を盛り上げて」
とか・・

ひゃ・・・ですよ。
こんなビジネスちっくなというか、政治家の会合みたいな雰囲気、始めてー
そんな扱い受けるようになったの俺達と・・・あわあわと

ま、直後に沙織事件が勃発して
そんな雰囲気吹き飛んだんだけど・・・


その頃から、いろいろなグッズとか作ってもらえるようになったよ

徳間書店、アリスソフト美少女アルバム



この本は、うれしかったなぁ
若い頃の自分の写真も載ってるわ・・ちょっと小太りだな




同業メーカーとは、お付き合いとかあまり無かったけど
自分もエロゲーユーザーなので、常に注目していたし
いろいろなエロゲーをプレイしていたよ

特にエルフさんは、すごかったなぁ、雲の上の存在でした。
で、勢い余って蛭田さんに会いたいとエルフ事務所を行った事があったな
忙しい中、ちょこっと話相手になってもらったよ、よい思い出です



ま、そんなこんなの1991年
いろいろな事があり、書き切れないのです。
商品が売れるようになり、各種生活環境もよくなり、絶好調ー
という所から、今度は警察に捕まるのではという危機へ

当時は・・ ソ連邦崩壊、湾岸戦争
世の中も慌ただしいかったんだね


18 件のコメント:

  1. 新築オフィスビルを3フロアも借りるってスゴイですね
    闘神がそこまで売れていたとは驚きです
    (私はランス2のほうが好きでした)

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  2. パットンLOVE2021年8月26日 14:19

    ランス3で今までから魔人、ヘルマン、魔王、カオスと作品の世界が一気に広まりましたよね。感慨深い作品です。何よりパットンだよなあ。まさかこの男にここまで惚れ込まされるとは誰が予想しただろうか.......。

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  3. ランス1&2が売れたから世界を膨らませたのか、元々構想があったのかは地味に気になります!

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    1. いろいろなゲームや物語などの設定って
      長く続けようと最初に凄い設定を作りまくった物などは
      続ける事が出来ずに、
      最初はそこまで考えずに作ったけど続いたから作ったという方が多いのかもしれないですね。

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  4. DPS-SGシリーズめちゃくちゃ良かった。
    特にSET2の「ANTIQUE HOUSE」とSET3の「卒業」。
    これは今でも時々やる。

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  5. スタッフの集合写真見ると スタッフ元ネタのルド世界モンスター割と再現度高いんだなと思った

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  6. マジック大好き2021年8月27日 12:28

    待ってました!私のアリスソフト史!

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  7. アリスソフト美少女アルバムのインタビュー思いっきり本名で顔出しインタビューなんですね
    時代的なこともあるだろうけど 18禁用ペンネームと自画像とか意味ない(笑)
    当時の雑誌のスクショで声優が本名顔出しでエロゲインタビュー受けてたの見たし
    おおらかな時代だなぁ

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    1. あはは・そうだよね

      今となっては、もう本名出ている事は気にしないけど

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  8. ランス2を未成年の頃から・・・あの頃はショップも普通に売ってくれてましたねえ。🔞シールはそんな事件があって張られるようになったんですね。

    ランスシリーズは今思うと所謂「なろう系」の根っこになってるような気もします。昨今の量産品と違うのは長い歴史で説得力のある描写をやってこれたからなんでしょうかね。
    なんかしらのスピンオフでもあると嬉しいなあ・・・

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  9. アリスソフト 美少女アルバム今でも持ってますよ
    こんな人達がつくてっるんだと思った記憶があります
    会員誌もあったはずなんだ見当たりませんでした

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  10. エスカレイヤーの時にコピーガードが導入されて、その時にユーザークラブのアンケートで「コピーガード賛成ですか?反対ですか?」という項目があって、掲示板でユーザーに聞くのはナンセンスと突っ込まれてましたけど、問答無用でつければいいのにわざわざ聞く所がアリスソフトらしくていいなって感じました
    会誌の投稿でいくつかTADAさんにコメントつけていただいたのも嬉しかったなぁ

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    1. コピーガードは・・悩んだしね

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  11. 当時まだコンシューマのゲーム機で遊んでた身としては、
    CD-ROMを使った音声のあるゲームは衝撃的でしたね。スナッチャーとか。

    SFCが主流の頃に、PCエンジンでややマニアックなゲームを遊んで、
    そのままPCゲーム→エロゲに進んだような気もします。
    ただ、当時の学生にはパソコンは高価で手が出なかったですね。
    アリスソフト美少女アルバムも、ゲーム機(PC)買えないからと買いました。
    今では宝物なのですが。

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    1. PCエンジンのROMROM、当時の凄いインパクトだったもんね
      CDから流れる音楽がまたかっこよくて
      私も遊んだ、遊んだ

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  12. 沙織事件はなあ…

    これがあったんでアリスソフトの作品を買い向かったんだよ。
    成人してたから問題ないし、ランス3を評価してたから応援する意味で
    それがきっかけでデフォ買いメーカーになったんだよな。
    あれからもう30年か。

    D.P.S -SG- set2, ランス3と買ってった記憶がある。

    何?フロッピーのバックアップを取れだと?
    コピー当たり前の風潮が残ってた時代に良心的だな。
    (なおこの時買ったゲームのディスクは未だに読めてます。
    大切に防磁フロッピーケースに入ってますよ。)

    なんだこの主人公、ひでえ、でもおもしれえ。
    マニュアルがワープロ打ち出しのままっぽいハンドメイド感あるw
    とかね。

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  13. ハイマージェ2022年5月5日 21:47

    FM-TOWNS版はランス3からCD-ROMになったんですよねー。ゲーム内のアリスソフトで生音声入れてるスタッフさんがいてビックリしました。ある意味初のボイス入り作品ww

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  14. 「バックアップとろうよ!」は鮮烈で印象的な一文で、ゲームの出来も良いものだから心酔してしまいました。
    だからコピーガードアンケートの自分は払ってるんだから不正取得者が嫌いだという意見は結構意外で、ゲームはスタートまでの敷居が高いし、中古ソフト屋の方が目立つような印象の世界でしたから、とにかく評判上げて、ファンが高額純正品買う体制の方が良いんじゃないかと思ってました。関連本はマメに買っていたし、グッズが売れ出したらなんとかなるんじゃないかとも。今や中古屋が消滅、信じられぬ。
    個人的には、アリスのトレカは適度に楽しく集めました。でも、ハーレムマスターは買わなかった。思い出を直に刺激されるカードはたまらなく魅力的だったのですが、現在超昂大戦に手が出ていないのが私です。貢献したいとは思う。
    ユーザーとの距離間の近さは大きな魅力でしたけれど、言われてみれば危うさはあったのかもしれません。若輩の想像ですが、初期ユーザー方々の質は結構高かったのかもしれませんね。自分も良いユーザーになりたい。

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