2021年8月12日木曜日

制作記.闘神都市

 


私が制作に係わったゲーム(8)
思い出メモ

発売日.1990年12月
価格.6800円
ハード.PC98.X68.TOWNS.MSX2


自分が作ってきたゲームの中でも特に印象深い存在です。

当時作っていたプロジェクトが急遽中止なり
年末までに作らねばとーー
3.4ヶ月で作り上げた

で、このゲームが評判よくて
アリスソフトは大きく成長していく事が出来るようになったんだよ



すごい久しぶりに再プレイしました。
ランス2,ランス3,闘神都市2,この辺りは、なんらかの機会で再プレイしていたけど
何故か闘神都市だけは、ほとんど再プレイしてなかったんだよな
たぶん20年以上ぶり

今回やってみて・・びっくりするぐらい覚えて無かった
なんか新鮮だったわ
忘れるって人間に与えられた特別な能力だよね、
うまく忘れる機能を利用して人生を楽しみたいものだ

さて、闘神都市だが・・




アリスソフトのゲームは、ベースとなるシステムが安定しているので
今でもWindows上で動くのがいいよね
プログラマー達の見えない所の努力と拘りに感謝。

  CPU速度が大きく変わったので
  ウェイトとか表示タイミング、キー反応とかで問題が出る事もあるけど


RPGを作りたかった私だったが
技術が無かったのでADVで無理矢理作ってきたけど

ランス   ほとんどADV、ちょっぴりRPG
ランス2  ADVのシステムで無理矢理RPG

この闘神都市でやっと
RPGです、と胸を張っていえるレベルの物が出来たのだー
わーい パチパチ うれしー

  今じゃ、ツクール等で誰でもすぐに作れるけど
  当時は難しかったんだよ、これでも(私には・・)


まぁ、一番のポイントはフィールドを歩く
上下左右にキャラを歩かせて歩く
さらに画面がスクロールしてマップが広がる
うれしいー、こういうの作りたかった

このマップ画面だが、見て分かる通り小さい
画面の左上にチマチマとあるだけ、全画面の1/6ぐらいの表示域かな
何故かというと・・
当時の自分達の技術では表示域を大きくすると処理が重くて動かなかったのだ
 無理に大きくするとスクロールが波打つ・・・


で、これだけだと画面が寂しいので、その横に大きな地図を表示する事にした

結果として非常に見やすい物になったと思っている
必要な情報が同時に見れるって良いよね
最近のゲームは、マップ画面と地図を透過処理で重ねているとかいうのもあるけど
ぶっちゃけ見にくい、こっちの方が絶対に見やすい

闘神都市に限らず、この時代の他社のゲームも
パソコンの処理速度や容量の問題で、大きな画像データを頻繁に表示出来なかったのだ
それゆえに、画面切り替えをせずに一画面にあらゆる情報を分割して表示するゲームが多かったな

当時の制限のゆえの画面構成だけど
現在の絵の綺麗さ、リアルさ、雰囲気、没入感重視より
私は好きだな

久しぶりに闘神都市をプレイして、こういう画面作りも
もっと可能性とかあったかもしれないなぁと思ったりした



戦闘画面は、こんな感じです

ランス2から女の子モンスターの要素は入ったけど
体力を減らして捕獲ロープで捕まえるという定番の要素は、この闘神都市からだね

捕まえた女の子モンスターは売り飛ばすというのもいいよね

他のモンスターもいろいろな個性や倒し方の仕掛けたとかも
出来る範囲でいろいろ工夫したよ



この迷宮戦士とかは、武器、盾、兜などを画像データを別にする事で
組み合わせていろいろなバリエーションが出るようにしていた

うん、けっこうがんばったね



ゲーム内に開発室を作ったりしたよ

アリスの館にあるスタッフコーナーだけでは、足らずに
こんな所まで出て自己主張するんだから・・
やんちゃだ




トーナメント大会って好きなんだよな
1戦1戦の重みがあってたまらん、高校野球とかも好き

ただ、1回戦で半分消えちゃうから、キャラ考える大変
適当な名前の人がいっぱいいるね



宿に泊まった際にエッチの思い出という選択があるんだけど
これまで見てきたエロ絵を見れるコーナーでした

まだ、CGモードという、のちのエロゲーには必須となる仕様が無かったんだよね




で、今回、最後までプレイしたけど
やっぱゲームランスが・・・
当時は、こんなバランスのゲームが多かったと言えばそうなんだけど
きつい・・

モンスターとのエンカウントが酷い
ちょっと歩く戦闘、また2.3歩歩くと戦闘、戦闘・・

当時の自分達も、あまりにも戦闘が多すぎだろうと思ったのか
迷宮から出ずに何十匹か倒すと敵が出なくなる処理が入っていたよ

・・・いや、そんな処理を入れるならエンカウント計算式をなんとかしておけよと突っ込みいれたくなったよ

また、序盤中盤はともかく、終盤に一気に敵が強くなる
とくに、こいつ・・ ストーンガーディアン



逃げる事が出来ない上、固くて強いく
敵のダメージが大きいから、自分のターンは高価な回復薬を飲む、
そして次の敵のターン、またダメージを受けて回復した分がほぼ吹き飛ぶ
この繰り返し・・こっちが攻撃を選択する事も出来ない

そして、回復薬が尽きて死ぬと ロードからやり直し

・・・・おい
やってられるか、まったく、心折れるよ

いやぁ、それでも、昔は、勝てる場所で永遠に戦ってレベルアップして進んだんだよね
( 今は無理、やってられない )


今回の久しぶりの再プレイ、正直、ここで投げかけたが・・
ネットの攻略情報を調べて (自分で作った物なのに・・・

チートアイテム、幸福の指輪の事を思いだしたんだよ

このアイテム、正式な物では無く
開発側が使うデバッグアイテム
 
なんで製品版にも入っているかというと
デバッグ処理を分離するとか技術的に出来なかったというか
考えついてなかったんだよな
 
発生方法は・・
 特定のコマンドを4回連続で押して
 特定の場所の壁に向かって突進する

普通、見つかる訳が無い
ユーザーさんよく見つけたなぁ、この出し方
 この闘神都市に限らず、この時期のゲームは、開発側の用意した隠しコマンドとかあったよね
 これもその時代ならではのギミックだね




このチートアイテムにお世話になったけど
なんとかエンディングまでプレイ出来た

うん、いろいろ雑な所は多いけど
今風に調整して作ったら、かなり良い物になるんじゃないかな
リメイクとかして欲しいよね

闘神都市2は、イメージエポックさんにより3DS版でリメイクされたけど
この最初の闘神都市は、リメイクされてないんだよね

いや、闘神都市υという企画もあったんだな
ゲーム機で出すとかで・・ボツになったけどね


 何故か印刷して冊子にしているあらすじだけ残っていた

 物語的には、
 前半は同じ展開だけど、優勝してからの後半
 YORA(ラスボス)が目指していたのは、巨大な浮遊要塞を作り世界を征服する事
 浮遊要塞の中では、ドラゴン、魔女アトランタ、そして魔人達も現れてとか・・
 ・・どこかで聞いたようなノリだよね
 はい、この話は、のちにランス4に流用されて使われるのだ






この闘神都市、開発体制としてもターニングポイントとなった


ぷりんの存在


これまで、私とYUKIMIさんで作ってきた、ランス、ランス2などは
ファンタジーというより、なんでありのおとぎ話みたいなノリだった。
なんちゃってファンタジーだ


そこにぷりんという本物が加わってきたのだ
 ・ファンタジー好き
 ・正当派、硬派
 ・RPG等のゲームも好き
 ・かっこいい絵も描ける



やる気に満ちている彼は、
「これもやらせて下さい、あれも任せて下さい、僕がやります」
と一気に開発の中核に入ってきたよ

この後のアリスソフトのゲームは
私の適当で雑だけど独自性のある作り
ぷりんの正当派で丁寧な作り
がうまく合わさる事で進化していたけんだよな


Min-Narakenの存在


「あぶない天狗伝説」や「DPS」を外注原画として描いてくれていた
その彼にメインを依頼したのだけど
ほんとよくやってくれた

この闘神都市の開発、緊急でスタートしたので
準備も出来てなければ、時間も無い
たぶん、彼に発注した時には、3ヶ月無かったんじゃないかな

社員なら無茶なスケジュールでもしかたないけど
外注でよくやってくれたよ



それも、素晴らしい絵を
クミコを初めとするむっちゃ可愛い女の子を描いてくれた

今みても可愛い、素敵な絵だ
クミコって儚くていいんだよな



とりさんの存在


それまでゲームのテキストというのは、プロが書くものでは無かった
ゲームデザイナーが自ら書く物、そういう物だった

私も、そういう事なので自分で書いていたけど
今みると、恥ずかしくて逃げたなるほど、下手、下手、下手
 「いやーーーみないで、俺の書いたテキストみないでーーー」

この闘神都市もほとんど自分で書いているけど
あまりにも時間が無くて忙しかった事もあり
一部をとりさんにお願いするようになった

エンディングとかは・・丸投げしたよ
「なんかクサクサでそれっぽいので書いて」




以降、自分で書くより文章のうまい人に任せた方がいいよねと
いう事を覚えた私は、だんだん自分で書く分を減らして とりさん に書いてもらうようになっていくのだった




そうそう・・・

ヒロインのクミコだけど、この名前について

のちに社長にこんな事を言われた

「うちの娘の名前をヒロインに採用してくれたし、
 多田君、気を使ってくれたんだね」

「・・・えっ??」

・・・社長の娘さん、クミコという名前なの?
知りませんでしたよ、会った事もないし
マジ、偶然、偶然だよ
ヒロイン名が外国人の名前ばかりなのて何か負けた気がする(??)と日本人名にしただけだよ

それに、いくらヒロインといってもエロゲーだよ
脱ぐんだよ、エロシーンあるんだよ
それに社長の娘の名を使ったら俺、変態やん、おかしい奴やん

ないから、ほんと、偶然だから・・

てな、事もありました
いや、びびった








闘神都市にもヒントDISKがありました
で、その中にランス外伝という、
もし主人公がランスだったらというミニゲーも作ったんだよ

実際に動く物は手元に無かったのだけど
にこにこ動画にあったので、暇な人はどうぞ

SDの絵がむっちゃ可愛い
ただ・・・この動画見ていると
エンカウント地獄に酔いそうになる(注意)
 (・・本編のエンカウントの惨さを疑似体験出来る・・




20 件のコメント:

  1. 最近リメイクが結構流行ってるからアリスソフトも過去作のリメイクどんどんしてくれないかなあとか思います。もう難しいんですかね。

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    1. パッケージソフトは、もうコストが見合わないのかもしれないね

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    2. DL版のみの配信でOKなんでリメイク出してほしいです

      もしくは世界観、モンスター、キャラ付きでアリスソフトつくーるを同人開発向けに販売とかしてくれたら嬉しいんですけど

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  2. >>ヒロイン名が外国人の名前ばかりなのて何か負けた気がする(??)と日本人名にしただけだよ

    そういやクミコちゃんラスボス戦薙刀だったから得意武器も和風だね

    アレキサンダーは格闘LV2だから 技能ないし

    名前センス 武器といい 母親はJAPANの人かな 

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  3. 学園戦記のヒロインが売春してたのが闘神1番の謎

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    1. 私も驚いた、ひどい事するねー

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  4. この作品(というかクミコ)を雑誌で見て衝撃を受け、何としてもプレイしたくて、当時高額だったパソコンを買うために初めてアルバイトをしましたね。
    やっと買えたのは中古だったけど嬉しかったなぁ。
    素早さが一定以上になると突然バルキリーとまともに戦えるようになってびっくりした記憶。
    またプレイしたくなってきた。

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  5. このコメントは投稿者によって削除されました。

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  6. ここの迷宮戦士好きだった、ランダム装備で麦わら帽子が出なかったっけ?
    当時5インチ使ってたのでドライブアクセス音が小気味よかった

    コココン… ヘルム表示
    コココン… 武器表示
    コココン… 盾表示

    当時はPC-286-VG 使ってました

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    1. あっ、そうだね、そんな感じだったね
      今、Windowsでプレイしていると勘違いしてしまいそうだけど
      もっと、ゆるやかに時間が流れていたね

      ・・・MSX版は、さらに遅かったはず

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  7. 懐かしいです。たしかアリスソフトに『なんで武器屋で武器を買い取ってくれないんだ!もらえるようにしろ!!』と強く要望の手紙?かハガキをだしたような?ランス3もですけどこの闘神都市でいっきにアリスソフトは有名になりましたね。Ⅱの時は発売はお祭り。それもこれもこの闘神都市あったからこそ。当時、だれしもが想像してたRPGの進化ってのは1987年に発表されたダンジョンマスターみたいなゲームかウルティマⅣだったのに、全く新しい発想で発表されたこの闘神都市は斬新すぎました。こういう切り口、洋ゲーが究極では無かったのか 凄いぞ!日本のエロゲー
    以降、エロゲがゲームの最先端になる走りのゲームだと思ってます

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  8. 動画見ましたけど、エンカウント率高いですね。
    このエンカウント地獄を知ってしまうと、プレイするのを躊躇うレベル。

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  9. >当時の制限のゆえの画面構成だけど
    >現在の絵の綺麗さ、リアルさ、雰囲気、没入感重視より
    >私は好きだ

    少しわかります、シンプルで見やすくて…
    馴れてしまえば何も感じませんが、最近のゲームはUIが多くて大変
    ほんと慣れの問題ですがw

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  10. ぷりんのお陰で野郎どもが引き立った。
    その効果でヒロイン達も引き立った。

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  11. あかん、このTADAさんの投稿、楽しみすぎる。
    闘神のあとは、あゆみちゃんとランスⅢ、あとDALKですよね。
    自分がアリスにハマったのもこの辺りなので、めちゃ期待します。

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  12. 闘神都市は街のBGMが衝撃的でした。
    画面構成やテキストと相まって、なんというか当時のゲーム特有の雰囲気を作り出していたと思います。

    一定回数エンカウントすると敵が出なくなるの仕様だったんですね。
    「裏技を見つけてしまった!」と一人盛り上がっていました笑。

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  13. そうか、ランスのあのなんでもあり感は「おとぎ話(メルヒェン)」なのか!ファンタジーとかじゃなくてそっち系だったのか!
    なるほど確かにさくらももこのコジコジとかを考えるとあのなんでもありなのはおとぎ話だ!なるほど……!

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  14. このゲームをリメイクしようものなら頭が禿げそうになりますね...。
    ランス10との整合性を取るのが絶望的に難しそう。

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  15. ランスクエストのほうもチートアイテム、経験値10倍パッチとかそろそろどうでしょうか?
    2,3,5,10倍辺りでユーザーから選べようになるのが理想です

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  16. 真面目にレビューすると褒めるのは2の方になるんだろうけれど、心を無にして遊ぶんなら実は1の方が面白いと思う。
    迷宮戦士は気晴らしとして良いしかけだったと思うし、色々な工夫とイベントが次々に現れて全然飽きない。大会で次戦の相手が決まるたびにわくわくする。マニュアルみて、忍者が勝ち上がるとか思わないですよね。カスタムも、抜群に俺がカスタムだって入り込みやすい未熟な若者だし、クミコさんはとっても可愛い!
    小さなマップには独特の魅力と探検感が有ったのですが、これをわざと作るのは確かに難しいかも。素敵な偶然です。

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