2021年4月1日木曜日

制作記.学園戦記

 

私が制作に係わったゲーム(4)
思い出メモ

4本目のゲームは、学園戦記

1988年・・たぶん11月?
6800円
MSX2


当時、チャンピオンソフトは売れないメーカーとして名が通ってしまい、
何を出して売れない絶望街道まっしぐらでした
社長は、ライバルの多い、PC98、PC88市場を避けて
まだ市場が小さいMSX2に活路を見いだす作戦に出たのだった
 ・・・いや、それよりエロを・・




この学園戦記も、前回のリトルバンパイアから使い始めた
MRG君が作ったACT(アドベンチャーコンパイラツール)を使っている
  彼は、ささっとMSX2でも動くようにした(すごい奴だ)


当時、PC88,98は、デジタル8色(色固定)だったのに比べて
MSX2は、16色(512色中)だったので
専用でMSX2で描けば、かなり綺麗なのが描けたのですが
当時のチャンピオンソフトにはMSX2用の良いCGツールが無くて・・
PC98でCG描いて、コンバートして使っていたのでした
コンバートの際、画面比率が変わるので線がぐちゃぐちゃになるんだけど・・
一部の絵だけMSX2で色を塗り直したのもあったかな・・





さて、前回のリトルバンパイアでちょっとだけ自信を付けた私は
大風呂敷を広げたのだった
 この後も、ちょっとうまく行く → 次調子乗る → 手痛い失敗
 を繰り返す事になる私、てへ

この当時のADVは、次のような作りの物が多かった

 第1章
  何枚かのCG(背景とシーンが一体化した物)が用意されており
  そこをいったりきたりしてフラグを立てて次の章に行く
 第2章
  次の章では、また何枚かのCGが専用で用意されており、
  同じようにそこでフラグ立ての為にいったりきたりする
  
 CGがとても貴重だったので、CGを各章(各ブロック)で
 少しずつ見せていくような作りでした
 1章はCG10枚、2章はCG8枚とか・・
 
 ゆえに章が進むにつれて場面(舞台)が大きく変わるのが常でした
 第一章(草原) → 第2章(町中) → 第3章(敵のアジト) とか
 
 実際、リトルバンパイアもそんな作りで出来ています
 
が、私は思った(ぴこーん)

これでは長い物語が作れない
ほとんど共通パーツにしてしまって、使い回そう
場所を固定する事で同じ背景を使おう
登場キャラをレギュラー化する事で同じキャラ絵を使おう
うん、これで良い

漫画やドラマみたいな、同じ場所で
同じパターンの物語が何回も続く形だ

そうだ、学校を舞台にすると都合が良いぞ
どうせなら、いろいろなネタが使えるように巨大学園にしよう
なんでもアリな学校

  第1話   何か学校での事件
  第2話   何か学校での事件
   ・
   ・  ちょっとずつ学園の秘密とかが明かれていく
   ・  恋愛がらみもある友情や人間関係なども・・
   ・
  第X話   大団円
 
  各話で使うCG(背景)は、全て共通
  何枚かだけ専用の見せ場のCGを用意ぐらいで

登場人物は、バランス良く7~8人
男3人、主人公、脳筋系の友達、眼鏡エリート系の友達
女の子は4人、幼なじみのヒロイン、美人おねーさん系、眼鏡、バカ

このメンツなら、いくらでもドラマが作れるぞー

・・・俺の高校生活は暗闇だったので(工業高校でほぼ男子校で地獄)
学園生活の憧れや理想を突っ込んじゃえと!


女の子は、どの子も今でもお気に入りです
YUKIMIさんがむっちゃ可愛いのを描いてくれた

ちなみに、洋子ちゃん(バカキャラ)は、のちにランスシリーズは、泉の女神として登場





そう、調子に乗っていた私の頭の中では、超大作が出来ていたのだ
 
 当時は、まだテキストに力を入れたゲームも少なく
 自分の下手な文章を出す事にも恥ずかしさなんて感じても無かったなぁ
 井の中の蛙だね




が・・・・しかし、事件は起こった

・・・Error、ファイルが読み込めません

「あれ?」

「どうしたんだろう・・・」

「まさか、まさか、フロッピーが壊れた?」

そう、開発終盤のある日、ソースコードが入ったフロッピーが吹っ飛んだのだ

バックアップは・・・・ 

バックアップは・・

だいぶ前のしか無い!

ガーーーーン、やっちまった


  記憶がうろ覚えだが・・・
  当時、チャンピオンソフトでは、まだHDDは使って無かったかも・・
  各自の開発はフロッピーで行い、それを受け渡していた

  フロッピーは脆い物なのでバックアップは必須なのだが
  当時は、バックアップもガッチャンコンガッチャンコンとえらく時間がかかったので
  めんどくさくて、ほとんどしてなかったりした・・

なんにしろ、かなりの期間の作業が消えてしまった



会社の経営状況が悪いのは分かっていたので延期なんて言える雰囲気じゃない
というか、少々の延期で何とかなるとは思えない・・

MRG君に壊れたフロッピーから一部ソースをサルベージしてもらったが
とても再生出来るような状態では無かった

・・・大幅に先祖帰ったソースから必死で作り直しをしたのだった

なんとか、最後まで辻褄をあわせて、
最低限の体裁は整えて発売はしたけど
ひどい出来になってしまった、バグだらけ

うわっ・・
「ごめんよーーー 」

と、私の最初の大失敗でした












8 件のコメント:

  1. チャンピオンソフト時代の作品も幾つか遊んでましたが、本作は未プレイ。貴重な裏話が聞けて最高に楽しいですね。バックアップが無い状態での、データ紛失は痛いですね。
    一度失ったものは二度と同じ状態で復旧できません。
    当方も、MIDIやらSS(小説)やら、CGやらで散々やらかしましたが、失ってから同じ物を作成する苦しみは想像を超える忍耐と根性が必要。
    それが商業となれば……その苦労は計り知れません。
    でもこの大失敗が、後のTADAさんのパワーアップに繋がるのですね!

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  2. 初期のアリスソフトのゲームにプロテクトかかってないのは この経験あったからかな
     フロッピー壊れやすいからやすいからバックアップ云々説明書に書いてあった記憶がうっすらと
     

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  3. このゲームは評判良かったのですか?

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    1. 全然覚えて無い・・
      たぶん全然売れてないから評判すら無かったのかも(・・・・

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  4. ACTは今でいうところの吉里吉里的なシステムなんでしょうかね。
    MSX2は持っていましたがFDがロムカセット経由で読み込むのしか持ってませんでした。
    私はFM-TWONSを購入してからアリスソフトさんのゲームで遊んでいました。

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    1. きりきりは使った事が無いのだけど
      たぶん、似たような物だと思います

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  5. フロッピーは、ほんと危険、よく壊れた

    5インチより3.5インチの方がケースに覆われて頑丈そうなのだが、3.5インチの方がよく壊れた印象があるなぁ
    小さいから無理があったのかな

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  6. 3.5インチは、5インチに比べて接触式の割には記録密度が高いので、記録面のダメージに敏感なんじゃないかなと思っています。
    確かに3.5インチをPC98で5インチをX68で使ってましたが壊れたのは3.5インチのほうが多かったです。

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