2023年6月15日木曜日

制作記.鬼畜王ランス

 
私が制作に関わったゲーム(18)

発売日 1996年12月
価格  8800円
ハード Windows95

監督.ゲームデザイン.シナリオ.TADA
イラスト.むつみまさと、Min-Naraken、
テキスト.とり、ふみゃ、むーみん
他、当時のアリスソフトメンバーみんな

当時の自分達にとってはオーパーツのようなゲーム
いくつかの幸運
そしてタイミング
若さ、勢い
いろいろ重なった結果出来た

ほんと、あの時期によくこれが作れたよ
いいゲームです、私達の自慢だ




世界征服、ハーレム

男の子だしな、ほんと作りたかった題材なのだ

子供の頃から歴史、戦争、帝国とか大好きだった
そういう本や映画を好んでみたよ
特に・・戦争の裏面というか悲惨なシーンという所で入るエロっぽいの
敗者が奴隷にされたり、陵辱されたり、ハーレムに入れられたり・・
そして勝者が酒池肉林
もう・・こういうのにウハウハしていたんだよな

そういうシーンが無い戦争物小説やゲームをしても
こんな事があるんだろうな、この娘さんは、この後、こんな目にあうんだろうなぁと
妄想ばかりしていたな・・

なので、私の中では
戦争=エロい
全て繋がっている

戦争の目的はエロなのだ(極端な事、言い過ぎ)



鬼畜王ランスのエロイベントの多くは、
私のそういう長年のエロ妄想の集大成・・(??)

まぁ・・それはおいてハーレムはいいよね
男のロマンなのだ



ゲームシステムの事

この開発において大きなポイントとなるのは
シミュレーションゲームが作れたという所だ


私はシミュレーションゲームが好きなのだ
なのでずっと作りたかった

が、私にはプログラム的に難しいんだよ
 アルゴリズム? どうやって作るの?
 ヘックスを動く処理、どうやって作るの?
 わかんない

RPGやADVは、IFと乱数と算数でなんとか作れるんだけど・・
やっぱシミュレーションはね・・

プログラマーのWAO君に、こういうの作ってくれと伝えたいが
それも、どう言えばいいのか、どう伝えたらいいのかもわからない
これらはゲームの根幹になる部分なので、ゲームデザイナーが自分でプログラムするしか無い
結局、自分でプログラム出来ないと作れないなのだ


だが、ちょっと発想を変えて考えた
「ちゃんとしたのが作れないのだったら
 シミュレーションゲームぽく見える、ADVやRPGを作れば良いじゃないかと」

てな訳で・・・
シミュレーションゲーム的な要素である
 
ヘックスやマス目などの移動は無しにしよう(難しいから)
地域に部隊を配置するのは無しにしよう(難しいから)
イベント制御はADV的RPG的に作ろう(それなら出来るから)

そう、なんちゃってシミュレーションゲームなのである
うん、これでいいのだ
大事なのは表現したい事が出来るかどうかなのだ

地域に部隊を配置しない
特にこの仕組みを思いついたのは大きい

まぁ、・・・MTG(マジックザギャザリング)のタップ、アンタップなんだけど
自画自賛で、これこそ正しい模倣だと思っている
あらゆる創作物は模倣から産まれるのだが、まんま使うのはパクリだけど
その要素を元に別物に創作しているよね


通常のシミュレーション
 奈良県に部隊A、部隊Bを配置
 三重県に部隊Cを配置
 奈良県と三重県の部隊を動かして京都府の敵を攻めるとか・・
こんな風に配置と移動が戦略の主となるのだが

鬼畜王ランスでは、これを一切やめて
 全部隊をどこか架空の置き場に置いてあると仮定して
 奈良県に攻め込む際には、そこから部隊を動かす
 また敵が北海道に攻めてきたら、そこから迎撃すると・・
移動の距離感などまったく無視
ぶっちゃけ戦略ゲームとしての基本を根底から否定だよね

でも、これで充分にシミュレーションゲーム、戦争戦略ゲームぽいんだよね
充分にその雰囲気が伝わると

ゲームルール(ゲームデザイン)は、その雰囲気を伝える為に
どこをデフォルメ化、簡易化、まるめてシンプルにするかが大事だよね
そういう面で、この鬼畜王ランスは本当によく出来ていると思う
おおお、ゲームデザインをちゃんとやっているね俺
えらいえらい
(まぁ、やりたい事が出来なかったからゆえの妥協が、そういう結果になったんだけど)





今、久しぶりに鬼畜王ランスをプレイしている

プレイ環境は、

ほんとありがたいね、当時より便利にプレイ出来る


さすがに今プレイすると・・雑な部分もあるけど楽しいよ
うんうん、よく作ったなぁ俺達・・

上記であげたシンプルなゲーム構成ゆえに
テンポがいいよね
うん、ちょうど良い感じにポンポン進む

今のゲームって凝っているし丁寧に作られているけど、なんかテンポ悪いんだよね
説明過多で、演出も多すぎで、文章も長くて、めんどくさい
プレイ時間も長くかかりすぎる

うん、この位の薄さというか軽さが大事かな・・
鬼畜王に限らず、昔のゲームは容量的にも限界があり
余計な物を入れる事が出来ず、必要最低限な物だけで構成されているので
身がぎっしり詰まっているというか、濃いんだよね
だからテンポがいい

でも、やっぱ今、こんな感じでゲームを新しく作る事は難しいかな
あれもこれも出来てしまうゆえに
やっぱ、あれも足りない、これも入れたいとかついなって盛り込むだろうし


まぁ、それはそれとして・・ともかく鬼畜王、なかなか面白いな、うん
ほんと久しぶりなんで、攻略情報を忘れているので・・ドキドキしながらプレイ出来る
(いやー、忘れるって隠居ゲーム人生を楽しむ重要な能力だよね)