2021年12月23日木曜日

私のアリスソフト史11(1998-1999)



 アリスの館456を発売した翌年--

└|∵|┐♪┌|∵|┘└|∵|┐♪


1998年----------------


社長の息子さんが社員として当社に加わった

表題の写真(↑↑)にあるチャンピオンソフトメモリアルアルバム作った
もろ学校の卒業アルバムみたいな物です
 楽しかった修学旅行(社員旅行)みたいなノリ
人生の思い出になるから作ろうぜーと 

4月、王道勇者



監督シナリオ.イマーム

オンリーユーのごたごたで少し沈んでいたイマーム復帰
ランスとは違う主人公、正当派?としてRPGとして制作

ゲーム部分は、ユニット担当の栗林がしていたかな
かなり変わったゲームシステムだった

久しぶりにプレイしたいと思い探してみたが・・
動作する物が見つからなかった
・・・確か、漁師でふんどしが主人公
・・・王道、正当派??


余談
のちに外道勇者というのゲームを作ろうとした事がある
ランス君は、鬼畜というわりには甘いので
ほんとうに悪でエロで邪悪な奴を主人公したいなぁと
外道勇者、実にピッタリなタイトルだとと
が、そんな企画を練り練りしていたら
同業社のメーカーから、まんま「外道勇者」というタイトルが出てしまい
諦めた事がある

5月、デアボリカ


監督シナリオ、とり
原画、織音

とりは、バカとシリアスの両極端のを作る事が出来るけど
これはシリアス系

アリスソフトが作ったADVでは一番の大作じゃないかな
少女漫画テイストというか、そういう独特な感じ
私もこういうの好き

いつか再プレイしたいゲームの一つです


11月、ぱすてるちゃいむ


ゲームデザイン.むーみん
シナリオ.HIRO
原画.かれん

アリスソフトの新世代ディレクターHIRO登場である
学園KINGのふみゃの時と同じく、いきなり1本担当させる



彼は、この後、安定してアリスソフトの屋台骨を支えてくれる存在となり
のちに私の次に開発部長となるのだ



HIROラインが出来たというのもあるが、この「ぱすてるちゃいむ」が私の中では
ひとつの大きな区切りみたいになっている
アリスソフト第1期 ランス-アリスの館456
アリスソフト第2期 ぱすちゃ-ランス10
アリスソフト第3期 超昂大戦 --



パッケージも新しくなった

紙パッケージ、これって当時のマイクロソフトを真似た物です
王者のスタイルに合わせるのだと・・
windowsのパッケージと並べて欲しいなぁとか・・

パッケージは商品そのもの
ゲームするだけで無く、箱を開けた時に楽しんでもらたいと
いろいろ入れたりも始めたりもした

ブックレット(マニュアル)は、この頃から豪華にしたよ。50P-100Pとかの分厚いのも作ったよ、みんな頑張った

テレカみたいなカードは、文字通りテレカみたいなカードです。
当時はコレクションといえばテレカだったけど、あれってNTTに無駄に500円以上取られてもったいないやんという事で、同サイズの紙カードを入れてました
コレクションフォルダーに入れたら一緒だよねと

アリスCDとかオマケCDも入れた
この頃の俺達のサービス精神すごいね

7000円からの高価な品だからね、
やっぱり、とことん価値を高めたかったのだ




王道勇者、デアボリカ、ぱすちゃと発売されている頃
私(TADA)は・・・
ランス5を作っていた
鬼畜王からの流れでむつみまさとがメイン原画
Min-Naraken、おにぎりくんがサブ
豪華メンツで第2世代のランスシリーズ開始だと・・


が・・いろいろ、うまくいかなくて
何度か仕切り直して作ろうとしたのだが、
泥沼が見えたので諦めた
この頃は、まだ泥沼から自力脱出する判断力があったのだ
・・・・それでも1年ほどグダグタ無駄にしてしまった



1999年 --------------


気を取り直して、1999年ー のすとらだむすー ひゃっほー


1月、ぷろすてゅーでんとGood


シナリオ、ゲーム.イマーム
原画.


まさかのバカゲーぷろGシリーズ
遠藤吾朗はいいよね
アリスソフトの男主人公といえば、ランスと遠藤吾朗
ぜひ、「超昂大戦」にも出て欲しい所だ


画像を撮るためにちょっと動かした
うん、面白い
これも、いずれ時間をとってプレイしたな
 コミケマップで人踏みたい!

この開発、私は関わってなかったのだが
途中でゲーム部分がうまくいかなくなって頓挫しかけていたので助っ人に入った

こんな感じで自分担当の開発以外でも、どこかのチームが困ったら助っ人に入る事もあります
開発部長として全開発の責任者だから当然だしね

ま、それでも物量的に自分で手に負えなくなりると
形だけ作ると、仕上げはむーみんというパターンになっていく
「むーみん、後は任せた」
むーみんには、いつも尻ぬぐいさせていたなぁ


3月、守り神様



企画監督、TADA
シナリオ、とり
原画、ちょもやま

私が担当したゲームです
RPGぽい物ばかり作っていましたが、こういう風変わりなのも好きです

フラグ処理がややこしくて、これイベントを全て見た人はあまりいないと思う
私も今プレイして全埋め出来る自信はまったく無い


そうそう、このゲームに出ていた
五十鈴伊万里、俺の超お気に入りキャラです
うん、可愛い
いじめっ子の2人も可愛い
中学生はサイコーである



7月、ママトト


企画監督、ぷりん

ぷりんがゲームデザイン
独自性が満載でとても面白い超名作です

このチマチマしたマップがいいよね
ユニットは小さくなるけどマス目が多いので視認性が良く
それゆえにゲームの戦略性も高くなっている

この開発では、9人いるヒロインキャラの設定やドラマを担当訳したりした

アーヴィ  Min-Naraken
ミュラ   ぷりん
シェンナ  織音
ナナリ   織音
ラミカ   しげ
ライセン  栗林
ココナ   ふくぽん
ナツル   TADA
のぞみ   TADA

私は、ナルツとのぞみ どっちもお気に入りです
不幸娘はいいよね、えへへ

カカロっていいよね、最高のお父さん



11月、ダークロウズ



企画シナリオ、HIRO
原画、おにぎりくん

HIRO、おにぎりくんコンビ
あの2人は同じ学校の先輩後輩だったかな、以降ずっとコンビを組んでもらう事に・・

徹底したエロゲーです
私のちょい照れの入ったエロゲーでは無く
本気でユーザーの使用に耐えうる物として作ってきたよ
HIRO、エロに対して真摯だからね

「エロシーンには音声が必要です」
と押し切ってきたよ

スカトロも必要だと言ってきたが
そこは止めた、うん、それは止めないと


私はゲームシステムでちょい手伝っているようだ
(覚えて無いが、ダークロウズのマニュアルに書いてあった)
これもプロGoodのように途中でゲームシステムに問題が出たので
私がテコ入れに入ったみたいだ、確かにランダムのサイコロぽい仕組みだし
それだろうな、うん



└|∵|┐ この年の社員旅行は北海道だー
熊、熊、イクラ


そして、新天地への挑戦
アリスブルーの準備が進められていたのだった






当時の開発ライン


1998年 3本(王道勇者、デアボリカ、ぱすてるちゃいむ)
1999年 4本(プロGood、守り神様、ダークロウズ、ママトト)

どの商品もフルサイズのゲームであり、
それらを安定して出せる非常に良い開発体制が出来ていた
・・さらに、その裏でランス5やっていたし

監督(ディレクター)、開発を任せられる人材が複数いたんだよね
うん、頼もしい状態だ


TADA(私)
ランス、闘神都市、守り神様など・・主力ライン

ぷりん
基本は私のサブとして一緒に作る事が多いが、彼が主になる物もある
なぐりまくりタワー、DALK、かえるにょぱにょん、ママトト

とり
基本はライターとして他の開発に入る事が多いが、監督をする事もある
アンビヴァレンツ、夢幻抱擁、デアボリカ、かつみ先生

イマーム
バカからかっこいい系までなんでもこなせる、エロゲーというかオタク文化がほんと好きな人
あゆみちゃん物語、プロステューデントG、オンリーユー、王道勇者

むーみん
基本はサブというか助っ人とか尻ぬぐい担当、しかしゲームバランス感覚もよく十分に作る事が出来る
乙女戦記、戦巫女、走り女2、ぱすちゃ(ゲームシステム部分)

ふみゃ
これからの活躍が期待される存在、文章力が高く、また制作に対する意欲も凄い
学園KING、アトラクナクア

HIRO
これからの活躍が期待される存在、次世代エロゲークリエイター
ぱすてるちゃいむ、ダークロウズ


こんな感じで7人も監督(ディレクター)が居た
ただ、全員バラバラに動くと作品が小粒になって駄目なので
2人か3人でチームを組むとちょうど良い感じだった


開発会社が安定して商品供給をしていく為には
複数のディレクターが出来る者が絶対に必要なのだ

少ないと、1人が不調になると会社全体が総崩れになってしまう
また、すぐれた開発スタッフ(絵描き、プログラマー)も宝の持ち腐れとなる

1人の天才より、そこそこの実力者が複数いる方が良いのだ

この頃は、素晴らしいメンツが揃っていたなぁ




白木社長の話


この頃、社長は
ゲーム開発、ブランド運営は全て私達に任せてくれており口出しを一切せず見守ってくれていた

おかげて思う存分、やりたいようにやれた
感謝である


が、こんな物も渡されていたりした
-経営者教育資料-

社長お手製の経営学のお勉強帳・・
 会社とは何か
 経営に関する事
 お金の動かし方など・・
 社長の心構えとか

「いずれ君に事業継承してもらいたい
 今の内から覚えていって欲しい」

・・・・たいしゃくたいしょうひょう・・???
エロゲーの事で頭いっぱいだし
株すらわかんない


社長としては
今の会社は社員みんなで作ってきた
なので、社員の生え抜きに継承して貰いたい
中小企業でよくある社長一族が牛耳る形にしたくない
という理念があったようだ

実際、早い段階から
自社株を希望する社員が買えるようにしてくれていた

・・・この価値を当時の私らはほとんど分かっておらず
・・・株?? よくわからん、それよりゲーム買うてな所だったよ
・・・私もそうだったが「君は役員だし、後継者候補だから買え」と買わされた


会社を社員に継承させる
会社の株を社員に買わせる

これって凄い事だよね、その辺の会社の社長ではなかなか実施出来ない事じゃないかな

他にも
利益が出たら社員へどんどん還元してくれたし
私にいたっては
「今の給与は、社長の私より君の方が上にしてる」とか言われた事もある


ほんと社員の事を考えてくれていた
私の事も特別に引き立ててくれていた
ほんと感謝しかない


ま・・しかし、会社を引き継き社長になるかというと
それは器の問題というか、適正の問題なので・・

お気持ちはありがたいですがと丁重に断った

「そうか、ならいずれ、外から社長をスカウトしてこないといけないなぁ」
とか言われたので

息子さんに会社に入ってもらうのはどうでしょうかと、お願いした

 それまでに息子さんとは何度か会う機会があり
 年齢は私の1つ下ほぼ同年代、都市銀行勤務
 非常に真面目で固い
 創業者でギャンブラーみたいな社長とは逆タイプ
 エロゲーへの理解はまだ少ないけど、礼儀正しく丁寧
 こんな印象を持っていたので

 こんな良い人がいるなら、この人にやってもらうべきだろうと

社長としては、会社を息子に継がせたら、
私に申し訳無いみたいな気持ちがあったようで、
「ほんとうにいいのか」と何度か聞いたけどそれでお願いした


そして息子さんは1998年にチャンピオンソフトに入り
平社員、役員を経て2002年に社長に就任する事となった


現社長、白木さん(当然、息子も白木さん)
この人が引き受けてくれてほんとうによかったと思う
真面目だし、元銀行員という事もあって経理的な数字にも強い
ひとあたりいいしね
 
 そうそう
 チャンピオンソフトという会社名は当時中学生の現社長が考えた物で
 その名前を考えた報酬は1000円だったとか


・・・・もし私が社長を引き継いでいたら・・・うーーん
1000万、1億とかの金額にビクビクするし、ストレスでダウンするか
少しでもヤバくなったら会社を畳んでいたような気がする
うん、私が継がなくてよかった








13 件のコメント:

  1. なぜスカトロを止めてしまったんだ……
    そういうシリーズが一つぐらいあってもよかったのに涙

    と今なら言えるけど当時の風潮とか流行で判断したんでしょうね

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  2. フリー配布対象外かつDL販売されていない期間の作品は、
    やはり動作対応、保障などで再販が難しいのでしょうか?
    遊びたいけど遊べない作品が本当に多くて、アリスソフトのブランド力と歴史を感じると同時に、
    第二世代後半参入の自分はまだほんの数年しかリアルタイムで味わえていないのだと実感しました
    TADAさんのアリスソフト史は当時のことがいろいろと知れて本当に嬉しいです!

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  3. ダークロウズめちゃくちゃ声優豪華だったのでびっくらこいた記憶が

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  4. TADAさんが社長にならなくて本当に良かった。
    なってたらランスシリーズは完結しなかったに違いない。

    あっちこっちに時間を取られたりと。

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    1. 社長になったら、眼鏡秘書を雇ったんだけどなぁ

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  5. TADAさん的にはあまり思い返したくない思い出かもしれませんが、当時のランス5に関するもう少し詳しいお話が聞けたらなあ、とか思ったり

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    1. あははは・・
      たぶん、後で少し書くと思います

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  6. 貴重なランス5のイラスト!
    フルプライスゲームには付録がたくさん!実にありがたかったです。
    エロゲを買った時、家まで我慢できず、大抵車ん中でパッケージを開けてマニュアルを見るのが好きでしたが、アリスのは読み応えが有って、本当に嬉しかった。
    テレカみたいなカードも、確かに並べて見るだけなら、テレカである必要はないわけで、面白いと当時から思ってました。

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    1. テレカ、ほんともったいないよね・・
      日本中の使われていないテレカの総額っていくらなんだろうね
      ・・・NTT

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  7. ちょうどこのあたりからアリスソフトのゲームをプレイしはじめました。
    インターネットに接続してホームページを見に行った時に載っていたのが王道勇者とデアボリカで、ユーザークラブの通信販売で買いました。
    今やSNSでユーザーの交流が出来る時代ですが、当時ホームページにあったBBSでユーザー同士の交流をしていた頃が懐かしいです。

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  8. >デアボリカ
    なんかの雑誌についてた1章をプレイしてがっつりはまって買ったゲームでした
    世の中にはこんな面白いのを考える人たちが居るんだ!って思ったのを懐かしく思います
    その当時のディスクは引越しの際に無くしてしまい
    つい最近中古でもう一個買いましたが、この当時味わった感動を忘れずに過ごしたいですね

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  9. ママトトクリア時に、人生一度しかないならカカロよりナナスだよなあって当時確信してしまって、それ以来ずるしたいとか、ずるしてる奴いるよなあっていう思考が激減したんですよね。
    カカロが思いつく限りのやってみたかった悪事を全て代わりにやってみてくれた上で、ナナスの「かなわずとも、それでも僕はみんなのようになりたい」に共感できたが故に、悪への憧れからの解脱を果たしたわけです。
    大変道徳的に有益だったわけでありますが、学校教材にはちょっとできないかな。
    カバッハーンエンドのバレスが生き残ってると意味あい変わってくるというやつや、エイベルの妊娠前妊娠後の変化なども面白いのですが、とにかくピッテン、キングギアのエンドが神。いや、ドワーフ最高。爺と一杯やりたい。良エンド多いし、計画立ててプレイすればそこまで面倒でもないので、全エンディング見て欲しいところです。

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