嫉妬した、嫉妬した、ジェラシーを感じる
ゲーム作りを隠居した身なのだけど
優れたゲームや物語を見るとやっぱ嫉妬する
なんでもかんでも嫉妬する訳では無く
優れたゲームや物語でも嫉妬しない物の方が圧倒的に多い
ユーザー目線で普通に楽しむ
「すごいなぁ」 「面白い~」 「金かかってんなぁ」とか・・
だが、たまに(この「十三機兵防衛圏」のような物)と出会うと
「ああ、これだよ、このやり方があったか!!」
「こんなのを俺は作りたかったんだよ・・」
「俺には出来ないレベルの完成度だ・・」
そう、何か自分の理想の先にあった物には、激しく嫉妬する
「十三機兵防衛圏」は、そういうゲームだった
●ボーイ・ミーツ・ガール
エロゲー畑にいたせいでもあるが、主人公=プレイヤーの世界では
ヒロイン達は全て主人公の物である事が求められる
- 選択ルートがあるタイプ
- ハーレムタイプ
これも好きではあるのだが、やはり不自然で物語パターンも限られる
いろいろな人間関係、恋愛関係、複数のカップル
そういうのが存在する世界が作りたい、余り物同士がひっつくのもまた良い
少女漫画的?、全員が幸せになる世界
特殊な恋愛関係も表現出来るのでキャラのバリエーションも増えるし
( 年齢差、兄妹、同性、異種族・・等々 )
作りたいと考え
ランスでも、もっといろいろなカップルも作ろうと考えもしたが
「ユーザーに嫌がられる」とかの意見も多くて・・
この「十三機兵防衛圏」では、プレイヤー視点が変わるという仕組みをうまく使って
複数のカップルを見せてくれる、うまいよね
また、各キャラが可愛い、魅力的だよ・・
女の子だけで無く男も可愛い
緒方君も比治山君も俺は好きだぞ
●ワイヤフレーム、バトルシーン
リアルな映像、動き回る戦闘画面とかは
確かに迫力はあるんだけど、同じ動きばかりですぐに飽きる
戦闘で大事なのは、それっぽい画面だと思うんだよ
こういう作戦画面、シミュレーションぽい画面は
実にそれっぽくて好きです
昔のゲームで言うと
空軍大戦略、カーマインとか、そんな感じだったかな
後、アリスで作った零式もそういうのをイメージした
だが、技術的な問題(解像度、処理の重さ)や
一般受けしない戦闘画面なので(やっぱ売れるのは、派手な絵が出る物)
あまり作られる事は無かった
が、この「十三機兵防衛圏」は、やってくれた
戦闘シーンがこんなのだったらかっこいいよなぁという物を
見事に作ってくれたよ
これだよ、これ、ミサイルがワイヤフレームでびゅーんと飛んでいって
迎撃したり爆発したり、うわっ、たまんねー
兵器とかは、動かなくていいんだよ
想像の補足出来るくらいのイラストがあるだけで十分
( 後、データスペックは、いっぱいあるといいな
●前後バラバラのエピソード集め
大抵の物語は順番に語られる
たまに過去シーンが入ったりするが基本的に順列だ
それ比べて、この「十三機兵防衛圏」は、
エピソード毎にバラバラに配置されており、最初はさっぱり分からない
どの話が先で、どの情報が分かっていて、これは何と繋がっているのか・・
さっぱりだ
だが、がんばって読み進めていくと・・
それらがある時、ピースがハマったように、ああぁ、こういう順列か、こうなっていたのか
と分かっていき気持ちイイ
推理物とかとも違う、なんというか、初めての体験
また、その仕組みゆえのミスリードが素晴らしい
わかった、こういう事だなと言うのをひっくり返される感覚も楽しい
洋ドラマの「This is US」の第1話
これも似たような感覚ですげー面白いと感激したなぁ
こういう仕組みは面白いよね、もっとこんなのを見たくなる
たとえば、バラバラの日記、記憶などを集めるというのでもいい
世界の謎、物語が徐々にそれで解明されていくとかでも楽しい
ただ、この「十三機兵防衛圏」は、私には複雑すぎだったな。
なんというか、ひねりの要素が1回ひねり、2回ひねり、そこまでいいのに
さらに3回ひねりもあって頭が追いつかない
まぁ、私の理解力が低いので、許容量オーバーなのだけどね
・・・もう少しゆるく作ってくれた方が仕掛け時、解析などの把握が楽しかっただろう
(・・・この辺りは、プレイする人の知能レベルで差がでちゃうね )
●80年代舞台
昔、とあるアニメで
「何故この時代なのか?」
「この時代がみんなにとって一番幸せだった時だから」
とかいうシーンがあるが、
うん、その通りだと思う
まぁ、これは産まれてきた世代で違うんだけど
みんな自分が学生時代が一番印象に残っていると思う
「ALWAYS.3丁目の夕日」これは、60年代らしいけど
私には、懐かしさとかは無い
私らの父の世代にとってはドストライクなんだろうけど
私ら50歳前後ぐらいの者にとって80年代は
一番よかった時代、懐かしい時代なのだ
中高生、もっとも感受性豊かな時を過ごした時代
ここを舞台にしないなんてもったいない
何度か現代物を企画した事もあったけど
企画意図の中には、80年代を舞台にしたい
というか、それがしたいからだったな
スマホや携帯なんて無い
各家庭には黒電話、そして公衆電話・・
インターネットも無い、パソコン通信すら無い
ビデオも無い、ラジカセでアニメの音を取るのが精一杯
女の子は当然ブルマー
エロ本は神社で
うん、そんな時代
そうそう最近ちらっと見たドラマ「おいしい給食」
その時代を扱った物だったな、80年代を狙った物だね
これら4つの要素
- ボーイ・ミーツ・ガール
- ワイヤフレーム、バトルシーン
- 前後バラバラのエピソード集め
- 80年代舞台
どれも、作りたいなぁと思っても
「まぁ、自己満足だけで売れない、やっちゃ駄目だよな」
「スタッフも、こんなのよりユーザー受けするのを作りたいだろうし」
と諦める要素ばかり
それを高い完成度で作りきった
さらに人気作として売る事にも成功した
「十三機兵防衛圏」には、嫉妬する・・・
ここ数年、いろいろなゲームをした、ゲームとしては十三機兵防衛圏より面白い物も多かったが、嫉妬的な感覚は久々に感じた、ゲーム制作者としても心がまだ少し私にも残っていたのかとちょっとうれしくなったり
他ではなかなか得られないような熱がありますよね、このゲーム
返信削除作った人の熱量に嫉妬するよ
削除この戦闘システムで大帝国とかやってみたいっすね
返信削除いいね、SF物にはピッタリだよね
削除「何故この時代なのか?」
返信削除「この時代がみんなにとって一番幸せだった時だから」
これってメガゾーン23でしたっけ?
ともあれアラフィフにとっては80年台(後半)が良い時代だったと思います。
そそ
削除十三機兵の一番の問題点はPS4でしか出していないこと
返信削除いくら評判が良くてもPCやswitchでも出さないとどうしても限界がある
売れたといってもPCやswitchでも出てれば100万狙えたかなと思う
PS4って、そんな市場小さいんだ
削除やっぱ、swichがすごいんだね・・(いまだ持っていない、据え置きタイプが出たら買うと待っていたら、完全にタイミングを逸した
PS4自体は世界的に売れて市場としてはでかいのですが中小タイトルは他と比べてきつい傾向が強い
削除PCは日本では弱い反面、海外では主流なので海外で売ろうとするなら出すのは必須
switchは海外だと特に顕著なのですが中小タイトルが売れる傾向が強く、海外展開するときにわざわざ移植するところもあったりする
tadaさんのゲーム制作への復帰、切望してます。
返信削除唯一無二の感性をもっと味わいたいです。
色々複雑なのに周回させず一周目で完結させる面白い作品だったと思います。
返信削除Twitterで突っ切ったほうがいいとオススメしたものの、その後どうなったかドキドキしておりました良かったです。
私はいちユーザーなので純粋に楽しめましたが、TADAさんは嫉妬されたんですねえ。
その情熱を溜め込んで、ぜひ次回作に!?
助言くれた人でしたか、その節はありがとう
削除カップリングはそのゲームの種類と顧客層によって使い分けるのが良さそうですよね
返信削除ハーレムを作りたいランスで数多く一対一で振り分けるのは嫌がられるだろうし、大悪司みたいなものならいくらか振り分けてもそんなに嫌がれない様に思います
ただエロゲが好きなユーザーでメインに近いヒロインとの主人公以外のカップリングはどちらでも良い人や嫌な人が多く、好きな人は少ない印象です
調べると分かりますが、十三機兵防衛圏って初報が2015年で実際に発売されたのが2019年の年末。
返信削除何度も何度も何度も延期繰り返したんですよね。延期のたびにどんどん忘れ去られて、後半はYoutube等でPV出しても全然注目されなくなってしまっていたんですけど、どんなに延期しても忍耐強く良い物を作ろうとした結果なんだと思います。
無名タイトルでここまで延期繰り返した作品はあまり聞いたことなかったので、良い作品の裏で物凄い企業努力をしたんだなぁと。
ヴァニラウェアの作品はどれも作り手の美学を感じますが、今作は顕著だったと思います
返信削除時系列バラバラのパズル的なストーリーって言うと
返信削除エロゲーの「最果てのイマ」もそんな感じでした
制作期間の問題とかでパズルとして完全じゃない状態ではありましたが…