私のアリスソフト史７(1993)

当時の社員仲間

これまでの流れ

１９８８年 チャンピオンソフト時代、全然売れない、赤字が増えていく

１９８９年 経営危機、倒産寸前、起死回生のアリスソフトブランド開始

１９９０年 ランス２、闘神都市、ちょっと売れてきた

１９９１年 ランス３、むっちゃ売れてきた、そこに沙織事件

１９９２年 ＤＡＬＫ、ソフリン設立

さて・・そんな、こんなで１９９３年です。

１９９３年

スタッフが増えてきた

業界滅亡の危機となった沙織事件もソフリンが出来た事でなんとかクリア

当社も良い感じで成長しています

当時、エルフさんがコンシューマーに移植して売れ始めていたので

私達もーとちょっとソワソワしていたが、闘神都市υがうまくいかなかった事で

エロゲーに集中する気持ちに戻っていた

さぁ、エロゲー作るぞ

クラスチェンジ

１９９３年４月、就職して５年

・・・私、解雇されました

て、クビとかでなく、社員から役員（取締役）にクラスチェンジしました

・・・まぁ、仕事内容は何も変わらないのだけど

プロステューデントＧ

１９９３年５月

シナリオ．イマーム

原画．Ｋ

期待の新人（と言っても私より年上ですが）の登場です

イマームさんは、アリスＮＥＴに積極的に参加してくれていた方で

実験作（あゆみちゃん物語プロトタイプ）を手伝ってもらい

その後、当社に入社してもらう事になりました。

このプロＧは、私も大好きで歴代アリスソフトゲームの中でもお気に入りの一本です

とにかくバカ、勢いがあるバカ、読んでて楽しいのだ

無理矢理作っているテキストアート（？）も実に良い

ヒロインは眼鏡先生だしね

あゆみちゃん物語

１９９３年９月

シナリオ．イマーム

イラスト．ラッシャーヴェラク

物語とかゲーム性とか無しで

ずっとセックスするだけのいいんじゃない

まぁ、そういうバカアイデアは酒の席とかでポンポン出るのだが

実際に社内スタッフを使って主力商品として作るのは・・・

やっぱ無理だなぁ（採算性や成功確率を考えて）となる物だった

だが、運良く次の条件が重なり

・アリスＮＥＴでテキストを手伝ってくれる人が居た

・カラースキャナーが実用的になってきた

・カラーでイラストを大量描いてくれる漫画家さんが居た

・やる気のある協力者が現れた

てな訳で、ほとんど実験作として作った

アリスの館２ＣＤでプロタイプを公開して

その後、思い切って単品商品化をした

・・・むっちゃ売れた

鬼畜王ランスが出るまで当社で一番の販売本数だったよ

うん、むっちゃ売れた

びっくり

ランス４

１９９３年１２月

本年度の主力商品だ

ここしばらく、ランス２、闘神都市、ランス３と

良い感じでパワーアップしてきた

当然、より高みを目指して

• 　もっと本格的なＲＰＧを
• 　より高画質なマップを
• 　ユニットアニメを

まぁ、その結果・・

予定していた処理が動かず、マップ構成を作り直し

この画面でスクロール移動出来る予定だったのだが・・

↓

重すぎて動かず・・

ランス１．２の頃のペイントマップに先祖返り

データが多すぎてフロッピーの振り分けが出来ずにＨＤＤ専用に・・

まだＨＤＤ専用で出すのは早すぎる時だったのだけど・・

それしか手段が無くなってしまった

その他、細かい問題も多く

大変な開発になりました

無事に発売出来てよかった

これまでは、自分達は技術力無いという前提で

慎重に出来る範囲で工夫して作っていたのだが

若干、調子に乗っていたかな・・

無計画に、出来るはず、俺達はやれると

ちょい背伸びしすぎたのだった・・

1993年、その他の事

ひでＳＡＮが漫画家になったのはこの頃かな

ぷろＧのＴＯＷＮＳ版で、初の音声を入れたりした

音声てどこに頼めばいいのか、どうやればいいのか、相場はいくらなのか

さっぱり分からず、かなり場違いな事をしていたみたいだ

社内でＰＴＴＰ（ぷろじぇくと　つるつるペッタン）とか・・

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当時のスタッフ

この時期の主要なスタッフの思い出・・・・

ＷＡＯ．プログラマー

同じ専門学校の同級生、腐れ縁である

アイデアと行動力だけはあるが雑で面倒くさがり私と

几帳面な技術系オタクのＷＡＯとは、いい組み合わせだった

彼も語り好きなので、ＨＤＤイレヨウ.DOC　とか隠しテキストを作って

言いたい放題していたなぁ、面白かった

ヨシタカ．広報

彼も同じ専門学校の同級生

ラノベ．やはり俺の青春ラブコメはまちがっている　で表現すると

私やＷＡＯ　＝　材木座

ヨシタカ　　＝　葉山

なんで、お前みたいな奴がここにいるんだよと突っ込みたくなる

まぁ、性格もよく親切で気遣いも出来る、ほんといい奴で・・腹立つ（笑）

　

コミ障な私と違って、ひとあたりが良いので広報外回りで活躍

後、大帝国の東郷さんのイメージにこっそりさせてもらった

Ｙｕｋｉｍｉ．原画

自分より先に会社に入っていた先輩である

気弱なオタである私は、女性にエロ絵を発注するのは恥ずかしかったが、

気にせず、楽しそうにやってくれて助かったよ

調子に乗った私は、エロ漫画から好きなエロシーンを切り抜いて

それを数冊にまとめ参考にどうぞと渡したりしたなぁ

うん、セクハラ

とり．ライター

ＣＧ、雑用のスタッフだったのだが

単独の企画やテキストライターをしてもらった

私がプロットを書く、それを読みやすいテキストに仕上げる

想定通りというか、想定以上でやってくれたよ

たぶん、同年代で見てきた物が同じだから意思疎通がしやすかったのかな

こういう清書といいうかテキストライター専門職は

この業界では彼女が先駆者なのかもしれない

Ｍｉｎ－Ｎａｒａｋｅｎ、むつみまさと　．原画

二人ともアリスソフトの看板原画だが

この時点までは外注さんだったかな

学生だったし

　

だが、なんとか当社に欲しい

社員になって欲しい

とけっこう長い期間アプローチをかけて

やっと入社してもらったのだ

特にＭｉｎ－Ｎａｒａｋｅｎは、現在(2021年)もアリスソフト在籍中で

アリスソフトの絵＝Ｍｉｎ－Ｎａｒａｋｅｎというイメージが強いかな

ぷりん、ちーぼう　ＣＧ

アリスソフトがスタートしてから最初の新入社員

二人ともすぐに頭角を現し

　

ちーぼう、ＣＧ部門の統括

ぷりん、ゲーム部門の統括

　

スタッフをまとめあげる若頭というか兄貴というか、

そんな存在になっていったかな

特にぷりんの存在は大きかった

ファンタジーゲーム好きの彼が入ってきた事で

アリスソフトのゲームは、ちゃんとした形になっていった

　私だけだと、なんちゃってＲＰＧを続けていたかもしれない

イマーム．ライター

上記のプロＧの所で書いてますが、ユーザーから社員になってくれた人です

面白い人というか、楽しい事が大好きな方

笑いを堪えながらシナリオを書いていたよ

仕事も早いし、自分で考えて行動出来るし、なにより楽しんで作業している

最初から１本まるまる任せる事が出来た希有な存在でした

アリスソフトでは、こういうスタッフがもっと欲しかったのですが

この後、時代が変化していき（ＮＥＴ時代、個人で発表しやすい時代）

こういう出来る人は会社に入ってエロゲーを作るより、

同人ソフトや小説などで一人で完結出来るようになっていくので

集める事が出来なくなっていったなぁ

Ｋ、なかじー　ＣＧ

ＣＧや背景の中核スタッフ

どちらも、地味眼鏡好きなので、私の同士と勝手に思っている

栗林　ゲームパーツ 

凝り性でランス４のユニットアニメとか徹底して作ったりするが

会誌等で変な記事をのっけたり、ゲーム内の変なネタを作ったりもする

ベベター、にょ、くるぴすとん星人とか、変なキャラの産みの親

あんまり目立っては無かったかもしれないが

アリスソフトらしさ、バカっぽさを作る上で欠かせない存在でした

彼の書いた会誌の記事とかほんと面白い

ランス４をマニュアルにあるスタッフコーナーを見ると

アルバイトも含めると、この時点で30人以上居るかな

１９９３年に一気に増えて大所帯になった

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この当時の自分達の生活

１０時出社

仕事開始です

インターネットはまだないし

社内ＬＡＮやメールも無いので、連絡があれば口頭でという時代

パソコンに向かってせっせとゲーム作りです

お昼休み

１２時から１時間のお昼休みです、

お弁当を食べたりしますが主にゲーム大会です

パソコン(Ｘ６８やＴＯＷＮＳ）、ゲーム機（スーファミ、ＰＣエンジン、ＮＥＯＧＥＯ）など

人気ゲームは取り合いです

ぷりんとかゲームがうまい者にチャレンジしてもらって

みんなで応援とか観戦とかしていたなぁ、今でいうゲーム実況みたいなノリかな

午後の仕事

はい、お仕事です、がんばります。

ゲーム作っています

おやつタイム

１５時からの１５分間の休憩時間です

特に何をしてもいい時間なのですが

やっぱり、少しでも時間が出来ると、みんなゲームしていました

午後の仕事

その後、またお仕事

ゲーム作っています

夕食

１８時、仕事終了ですが・・

ほとんどのスタッフは当然のように残業です

みんなで連れ添って外食に行きます

近くの定食屋はどこも馴染みになっていたなぁ

残業

その後、会社に戻って少し仕事をする

だいたい２１時には終了

ばらばらとみんな帰っていった

月曜から木曜までは、そんな生活

規則正しいー

ただし、マスターアップが近くなると土日も無いぞ

金曜日は特別

１８時、仕事終了

残業はせずにさっさとみんなで遊びに出るのだ

だいたい１０数名ぐらいでわさわさと・・

日本橋（でんでんタウン）

大阪の秋葉原みたいな所、当時はむっちゃ賑わっていたんだよ

ソフマップ、ニノミヤ、Ｊ＆Ｐとか

パソコンゲーム、ゲーム機、アニメ、漫画、おもちゃ

みんなで１店ずつ巡った

「よーし、もう買う物は買ったか、次の店いくぞ」

「居なくなった奴はいないか、みんないるなー」

てな感じでぞろぞろと

いろいろな店を巡りながら

日本橋から難波へ向かう

難波周辺

漫画専門店（エロ漫画も豊富にあった）

けっこう広い店があったので、そこに毎度寄っていたな

で、終末に出た平積みになっている新刊を買いまくる

夕食

ココイチとかびっくりカフェとか・・いろいろ

そこでゲームや趣味の話をしたり、買って来た戦利品を確認したりとか・・

その後は、ボーリングかゲームセンターで

終電近くまで遊んでいた

そんな週末だったな

また月末は、エロゲー新作とかも出るのでより盛り上がった

特に、自社商品の発売日は、みんなで見学にいった

自分が作ったゲームを手に取ってレジに並んでいる人を見たら

うれしかったなぁ、感謝してこっそり手を合わせたよ。「なむなむ、ありがとう」

自分の中では、一番楽しかった時期かな

ほぼ同年齢（だいたい２０代前半）

同じような趣味の者達

ゲームをしながら、ゲームを作り

それでお給料が貰え

週末には、それを一緒にワイワイと散財する